愛犬が好きな人にとって、「殺処分に賛成」と言われたら、きっと反発したくなることでしょう。
ですが今回は、あえて一度だけその立場に立って考えてみたいと思います。
もちろん、私自身が殺処分を望んでいるわけではありません。
ただ、「なぜそれが問題なのか」をより深く理解するために、逆説的に発想してみることは、時に大切なことだと信じています。
ある保健所で1匹の柴犬に出会いました
檻に近づくと駆け寄って来て
小さく尾を振り小首を傾げました人懐っこい優しい瞳をしたその子は
いったいどんな理由があって
捨てられなければならなかったのか犬猫を保健所に持ち込む人達に問いたい… pic.twitter.com/94Q2GKZRfU
— Ruby love (@Rubylov65969168) April 4, 2025
この記事に書かれていること
犬の殺処分に賛成してみる
「犬が簡単に捨てられてしまうくらいなら、殺処分もやむなし」
一見、冷酷なように聞こえるこの意見。
でも、**“命を粗末に扱う人が減らないなら、むしろ処分してしまった方が良い”**という思考も、現実的には一定の支持を得てしまっているのも事実です。
実際、日本でも年間数千頭単位の犬が行政の手で殺処分されています。
そして、これらの犬の多くは、「人間の都合」で手放された存在です。
では仮に、この殺処分を積極的に進めたとしたら、社会にどんな影響が起きるでしょうか?
業界は活性化し、犬がもっと「買いやすく」なる未来
仮に殺処分が容認され、余った犬は淘汰される――
そんな世界を前提にすると、市場原理が一層働くようになります。
✅ 1. ブリーダーやペットショップが活性化
繁殖・販売の回転が早くなり、業界にとっては“売りやすく”“仕入れやすい”環境が整います。
犬という商品が常に「新しい命」として店頭に並び、活発な取引がなされるようになるでしょう。
✅ 2. 価格が下がる
市場競争が進むことで価格も下がり、より多くの人が犬を手に入れやすくなります。
ペットが“高級品”から“日用品”に近づき、「とりあえず飼ってみる」人が増えるかもしれません。
✅ 3. 周辺産業の拡大
犬の飼育人口が増えることで、
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フードメーカー
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トリミングサービス
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ペットホテル
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アパレル・グッズ業界 などが活性化します。
犬を「モノ」として流通させるほど、経済は動きやすくなるのです。
犬が“命”ではなく“モノ”として扱われていく未来
しかし、このように「犬が簡単に買える時代」には、当然ながら大きなリスクが潜んでいます。
❌ 飼育の質が落ちる
犬の価格が下がり、入手が簡単になればなるほど、“買う人の質”にもバラつきが出ます。
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鳴くから手放したい
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引っ越すから捨てたい
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思ったより可愛くなかった
そんな無責任な理由で命を扱う人が増えていきます。
❌ モラルなき“オーナー”が街に増える
犬のお散歩時のフン尿問題って歩きタバコと似ていますね。
どちらも公共の場でのマナー違反と見なされ、他者に不快感を与える行為です。歩きタバコはかつては比較的許容されていたものの、健康意識の高まりや受動喫煙への懸念から、多くの国や地域で厳しく規制されるようになりました。…
— ペンギン@ずっと住宅ローンと債券推し (@torikkoai) March 1, 2025
散歩中のフンを片付けない、リードをつけない、夜中に吠えさせる――
そんなマナー違反の飼い主が増えることで、犬が“迷惑な存在”として見られるようになる可能性すらあります。
結果的に、犬の自由は狭まり、“社会から嫌われる動物”になる恐れもあるのです。
❌ 犬の命の価値が軽くなる
「また買えばいい」「死んでも仕方ない」
そんな価値観が社会に根づいてしまったら、私たちは命に対して何を教えられるのでしょうか?
命を「安く」扱うのではなく、慎重に選ばれる社会に
私個人の意見としては、犬の価格は100万円前後でもいいと思っています。
それは、ただお金をかけるという意味ではなく、
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命に対する責任の重さ
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簡単に手放してはいけないという覚悟
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長い人生のパートナーとしての価値
を人々に意識させるための「ハードル」として、価格はある程度高くあるべきだと考えているのです。
🚗 車や家と同じように「慎重に選ぶ」時代へ
車や家を買うとき、私たちは何度も下調べをして、比較して、相談して決めます。
命を迎えることも、それと同じくらい慎重に考えるべきではないでしょうか?
「とりあえず飼ってみよう」ではなく、
「この子と本当に一緒に生きていけるか?」を真剣に考える社会にしたいのです。
子供を産むのに初っ端の初期費用50万を出し渋る人は産まない方が良いよ。
ペットショップの犬猫なんかも購入時点で値段が高いと感じるなら飼うの辞めておけ。— 湊未来 (@hagemariko) November 4, 2024
ドイツのように、殺処分ゼロは実現できる
ドイツでは「ティアハイム」と呼ばれる動物保護施設が全国に存在し、殺処分ゼロを実現しています。
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販売よりも譲渡が主流
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飼育環境のチェックが厳格
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誰もが“命に責任を持つ文化”がある
これは、制度の問題ではなく、社会全体の価値観の違いです。
日本もきっと、変われるはずです。
【会見】デヴィ夫人、政治団体「12(ワンニャン)平和党」設立https://t.co/vkLlSXl1WE
犬猫の食用禁止の法制化や犬猫のブリーダーを免許制にすることなどを目指すと主張。今夏の参院選での議席獲得を目指し、デヴィ夫人自身も、日本への帰化申請が受理されれば比例代表で立候補する考えを表明した。 pic.twitter.com/Z8tlltQxjD
— ライブドアニュース (@livedoornews) February 12, 2025
犬を「買う」ではなく「迎える」文化へ
殺処分がある限り、それは人間の無責任さの象徴です。
命に値段がつき、簡単に買えてしまう社会の末路を想像してみれば、
“安くて便利なペット社会”には、大きな代償があると気づくはずです。
犬を飼うというのは、一生分の約束を交わすこと。
その重みを、私たち大人が、次の世代にしっかりと伝えていく必要があります。
They truly make a difference
— Kevin W. (@Brink_Thinker) March 10, 2025