殺処分

【犬の殺処分に賛成してみる】ワンちゃんにとってどんな国にしていきたいか

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愛犬が好きな人にとって、「殺処分に賛成」と言われたら、きっと反発したくなることでしょう。

ですが今回は、あえて一度だけその立場に立って考えてみたいと思います。

もちろん、私自身が殺処分を望んでいるわけではありません。
ただ、「なぜそれが問題なのか」をより深く理解するために、逆説的に発想してみることは、時に大切なことだと信じています。


犬の殺処分に賛成してみる

「犬が簡単に捨てられてしまうくらいなら、殺処分もやむなし」

一見、冷酷なように聞こえるこの意見。
でも、**“命を粗末に扱う人が減らないなら、むしろ処分してしまった方が良い”**という思考も、現実的には一定の支持を得てしまっているのも事実です。

実際、日本でも年間数千頭単位の犬が行政の手で殺処分されています。
そして、これらの犬の多くは、「人間の都合」で手放された存在です。

では仮に、この殺処分を積極的に進めたとしたら、社会にどんな影響が起きるでしょうか?


業界は活性化し、犬がもっと「買いやすく」なる未来

仮に殺処分が容認され、余った犬は淘汰される――
そんな世界を前提にすると、市場原理が一層働くようになります

✅ 1. ブリーダーやペットショップが活性化

繁殖・販売の回転が早くなり、業界にとっては“売りやすく”“仕入れやすい”環境が整います。
犬という商品が常に「新しい命」として店頭に並び、活発な取引がなされるようになるでしょう。

✅ 2. 価格が下がる

市場競争が進むことで価格も下がり、より多くの人が犬を手に入れやすくなります
ペットが“高級品”から“日用品”に近づき、「とりあえず飼ってみる」人が増えるかもしれません。

✅ 3. 周辺産業の拡大

犬の飼育人口が増えることで、

  • フードメーカー

  • トリミングサービス

  • ペットホテル

  • アパレル・グッズ業界 などが活性化します。

犬を「モノ」として流通させるほど、経済は動きやすくなるのです。


犬が“命”ではなく“モノ”として扱われていく未来

しかし、このように「犬が簡単に買える時代」には、当然ながら大きなリスクが潜んでいます。

❌ 飼育の質が落ちる

犬の価格が下がり、入手が簡単になればなるほど、“買う人の質”にもバラつきが出ます

  • 鳴くから手放したい

  • 引っ越すから捨てたい

  • 思ったより可愛くなかった

そんな無責任な理由で命を扱う人が増えていきます。

❌ モラルなき“オーナー”が街に増える

散歩中のフンを片付けない、リードをつけない、夜中に吠えさせる――
そんなマナー違反の飼い主が増えることで、犬が“迷惑な存在”として見られるようになる可能性すらあります。

結果的に、犬の自由は狭まり、“社会から嫌われる動物”になる恐れもあるのです。

❌ 犬の命の価値が軽くなる

「また買えばいい」「死んでも仕方ない」

そんな価値観が社会に根づいてしまったら、私たちは命に対して何を教えられるのでしょうか?

ぼくたちは、おもちゃじゃないよ。心がある生きものなんだよ。


命を「安く」扱うのではなく、慎重に選ばれる社会に

私個人の意見としては、犬の価格は100万円前後でもいいと思っています。

それは、ただお金をかけるという意味ではなく、

  • 命に対する責任の重さ

  • 簡単に手放してはいけないという覚悟

  • 長い人生のパートナーとしての価値

を人々に意識させるための「ハードル」として、価格はある程度高くあるべきだと考えているのです。

🚗 車や家と同じように「慎重に選ぶ」時代へ

車や家を買うとき、私たちは何度も下調べをして、比較して、相談して決めます。
命を迎えることも、それと同じくらい慎重に考えるべきではないでしょうか?

「とりあえず飼ってみよう」ではなく、
「この子と本当に一緒に生きていけるか?」を真剣に考える社会にしたいのです。


ドイツのように、殺処分ゼロは実現できる

ドイツでは「ティアハイム」と呼ばれる動物保護施設が全国に存在し、殺処分ゼロを実現しています

  • 販売よりも譲渡が主流

  • 飼育環境のチェックが厳格

  • 誰もが“命に責任を持つ文化”がある

これは、制度の問題ではなく、社会全体の価値観の違いです。
日本もきっと、変われるはずです。


犬を「買う」ではなく「迎える」文化へ

殺処分がある限り、それは人間の無責任さの象徴です。
命に値段がつき、簡単に買えてしまう社会の末路を想像してみれば、
“安くて便利なペット社会”には、大きな代償があると気づくはずです。

犬を飼うというのは、一生分の約束を交わすこと。

その重みを、私たち大人が、次の世代にしっかりと伝えていく必要があります。

たった1匹の命にも、ちゃんと「重さ」があるって伝わったらうれしいな。

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